以前宣言したように、utsubiologyのドメインを変更せずに無事にサーバーを移転することができました。本日からまたブログ再開です。
せっかくなので、今回自分が挑戦した、WordPressサーバーの移転を解説しようと思います。
なぜサーバーの移転を試みたのか?
自分はブログを立ち上げるにあたってaaaaサーバー(名前を出そうかと迷いましたが、まあまあディスるので念のため省略しました)というところで、レンタルサーバーを契約しました。マイナーなレンタルサーバーで最初のチョイスとしては、あまり上がってこないと思うのですが、当時自分は知識が乏しく、レンタルサーバーをしっかりと吟味することの重要性をあまり理解していませんでした。
aaaaサーバーを選んだ理由はシンプルに「日本語対応可能で、なおかつアメリカから簡単に契約できた」という点につきます。
自分がまだWordPress等のCMSコンテンツを知る前、まだ全ての独自ドメインを持ったブログは、地道なHTMLやCSSの作成で仕上げられていると勘違いしていた頃、「作りながら学ぶHTML/CSSデザインの教科書」という教科書を参考に、純粋にHTMLとCSSだけでブログを作ろうとしていました。その際にその教科書内でお勧めされていたレンタルサーバーがさくらサーバーというところでした。自分も素直にそこで契約しようと思ったのですが、残念ながら国内限定での契約なのか、アメリカからさくらサーバーを契約することはできませんでした。
そこで、海外から契約可能なレンタルサーバーをネット検索すると、aaaaサーバーがヒットしたわけです。料金も安く、問題なさそうに見えたため、すぐに契約しました。
その後、完全にHTMLとCSSで自作したサイトをaaaaサーバーから公開し、継続的にブログを更新していくつもりだったのですが、あまりの大変さに、「みんな本当にこんなことしているのか?」と色々おかしいことに気づき始めます。特にブログ村でサイトを登録しても、全く記事が反映されないあたりで、違和感が確信に変わり、それらの過程で、独自ドメインをもつほとんどのブログがWordPress等のCMSを利用して作られているということを知りました。
aaaaサーバーでもWordPressがインストールできたので、早速、教科書を参考に試してみました。その辺りのことは、初期の記事に記録しているのでそちらも参考に。
それから約2年半、基本的には問題なくブログを更新できてきて、aaaaサーバーにも大変お世話になったのですが、ここにきて色々と問題が生じ始めました。
まず、PHPのバージョンが一向にアップデートされずに、WordPressからずっと「PHPのバージョンをアップデートしてください」との警告文が表記されていました。
また、数ヶ月前は、なんの前触れもなく数日間サーバーがダウンするという現象にも見舞われました。その時の記録はこちらに。
また、月額3ドルと料金的には非常に格安なプランだったのですが、ディスクの容量が2Gバイトで、もうすぐでいっぱいになりそうでした。ちなみにエックスサーバーだと月額料金はもう少し高いですが、300Gバイト貸してくれます。
そして、最終的に、Pleskというコントロールパネルにログインすることが、Firefoxでセキュリティを解除してのみ可能になるという、なんとも残念な現象にも見舞われ、ついに自分はサーバーの移転を決意しました。
ネガキャンばかりではあれなので、一応、よかった部分も言っておくと、これらの不備の都度、丁寧に日本語でメール対応してくれました。そこは非常にありがたかったです。ですが、やはりこんだけ不具合が頻発するのなら、今後の勉強も含めて、思い切ってサーバーを移転する方がいいと考えました。
ドメインを維持するか、変更するか
独自ドメインでブログを運営している場合、ドメイン名を維持してサーバーを移転するか、ドメイン名を変更するかの2種類があると思います。どちらにもメリット、デメリットがあるでしょうが、URLを変更してしまうと、Google検索で上位ヒットするような良記事へのアクセスが失われてしまうため、可能ならドメイン(URL)を変更せずにサーバーを移転したいと考えました。
ちなみに、ドメインを変更しても、これまでの実績を失わずに継続する方法もあるようです。
そこで、自分がまずしなければならなかったのが、ドメイン移管でした。
ドメイン移管とは?
ドメイン移管とは簡単に言うと、ドメインの管理会社を変更することです。例えば独自ドメインの契約料金として年間2000円をA社に支払っていたとしましょう。これを、ドメインを変更せずにB社に料金を支払うようにドメインをA社からB社に譲渡してもらうことをドメインの移管と言います。
先に、ドメインの移管をしなくてはならなかったと書きましたが、実はこれは正確ではありません。というのは、レンタルサーバーの会社とドメイン取得の会社は必ずしも同一である必要はなく、A社でドメインを取得してB社のレンタルサーバーで、そのドメインを使ってブログ運営をする、ということが可能です。
ちなみに、自分が学んだ本でも、また下記のサイトでも、ドメインとレンタルサーバーは別々にした方がいいと書いてあります。が、同じでも信頼できる会社である場合は、特に問題なさそうだったので、今回はドメインもレンタルサーバーもエックスサーバーで契約することにしました。
ドメインはサーバーと別のサービスで契約したほうが良い?メリット・デメリットも紹介
ドメイン移管の手順
ここからは、いくら調べてもネットの情報が断片的だったので、実験的に失敗覚悟での自分の試行の記録になります。
一口に「サーバーを移転する」と言っても、「ドメインを変更するorしない」「WordPressを使用しているorしていない」「ドメインとサーバーが別契約or同じ会社で契約」「ドメイン移管をするor しない」など、選択の組み合わせがかなり多くあり、そして多くのネット記事で紹介されている方法は、この数十種類の選択の中から、一つのパターンだけでした。
かくいう自分も自分が体験したこと以外は言及することができませんから、ここで紹介するパターンは一つになります。
簡単に説明すると、
aaaaサーバーで契約したutsubiology.comというドメインで、aaaaサーバーのレンタルサーバーで、WordPressを使って運営していたブログを、ドメイン名を変更せずに、utsubiology.comというドメインをエックスサーバーにドメイン移管して、ブログデータを全てaaaaサーバーからエックスサーバーのレンタルサーバーにコピーして、エックスサーバーでWordPressでブログをそのまま再開する
というものになります。簡単に説明したつもりが結構長い。ブログ運営、ネットワーク関連の難しさをよく表していますね。
まず、メールでaaaaサーバーさんの方に「ドメイン移管できますか?」ということを問い合わせてみました。
平素はaaaaサーバーをご利用頂き誠にありがとうございます。ドメイン:utsubiology.com につきまして、ロックの解除を行い、コードをご登録メールアドレスへ送付させていただきました。メールの受信のご確認をお願い申し上げます。そちらのコードをご利用いただき移管手続きをお願い申し上げます。
aaaaサーバーからのメール
というメールが来ました。どうもドメインの移管には「ロックの解除」というものが必要らしいです。そして、その後、Merrick Mirror Holdings, Inc.からEPP keyというパスワードが送られてきました。どうも自分のドメインがこのMMHという会社によって管理されていたということを初めて知りました。
エックスサーバーでのアカウントの作成
これで、aaaaサーバー側での準備が完了したので、次はエックスサーバーとの契約に取り掛かりました。
ここで一つ書いておかなければならないのは、確かにエックスサーバーは海外(アメリカ)から契約可能でした。しかし、入金は日本国内からでないとダメみたいで、アメリカからだと例え日本発行のクレジットカードであっても、エラー画面が出て、クレジットカードで支払いをすることができませんでした。もちろん、支払いができないと契約もできないので、自分はファミマのコンビニ払いを選択し、日本に住んでいる親に入金を依頼せざるを得ませんでした。
なのでさくらサーバーに限らず、海外からだと日本国内のサーバーを契約するのは、なかなか難しいのかなと思います。その意味で、aaaaサーバーと最初に契約していたのは、正解だったのかもしれません。
自分はエックスサーバーでスタンダードプランとドメインの移管を契約しました。
実際のドメイン移管
ドメインの移管そのものは極めて簡単でした。エックスサーバーでドメイン移管を選択して、上記のEPP keyを入力すると、1週間ほど時間は必要としましたが、ただ待つだけで、無事にutsubiology.comのドメインがMMHからエックスサーバーに移管されました。
エックスサーバーでのドメイン設定およびSSL化
ちなみに、この「ドメインを移管しただけ」の状態では、まだブログは普通に閲覧できてWordPressにもログインできました。あまり詳しくないですが、この時点ではDNSの設定に変更がなかったためだと思われます。
エックスサーバーにはWordPressの簡単移行というサービスがあるのですが、自分はこれが「ドメイン変更を伴う場合に適応されるのか、ドメイン変更がない場合も使えるのか」という点に関して、最後まで判別することができませんでした。
また実際にこの機能を使っても、いつまでもエラ〜メッセージが出てきて、自分には使うことができませんでした。
そこで、この簡単移行は断念し、同じくエックスサーバーで紹介されている、こちらの方法を試すことにしました。
結果として、この手順をそっくりそのまま実行することで、自分はブログを移転させることができました。
まず、紹介されている通り、移管されたutsubiology.comのドメイン設定というのを行いました。SSL化に少し手こずりましたが、エラーメッセージを気にせずに、何度か同じ作業を繰り返していたらSSL化できました。多分、ドメインをエックスサーバーに追加してからある程度、待たないとSSL化できなかったみたいです。
これで、utsubiology.comの住所がaaaaサーバーからエックスサーバーに引越しされました。そして、この時点で「うつ病な研究者のブログ」にアクセスしても、「404 file not found」と表示されるようになり、またWordPressにもログインできなくなりました。
「あ〜これでうまくいかなかったら、今まで2年間頑張ってきたブログともお別れか」とヒヤヒヤしました。
ともあれ、これでドメインの移管作業は完了です。
MySQLとWordPressデータをエックスサーバーに移行
さて、最後は実際にWordPressのデータをaaaaサーバーからエックスサーバーに移行する作業です。この作業はMySQLデータベースの移行とWordPressデータの移行の二つの作業別れます。
データベースMySQLの作成
この記事を作成していていうのもなんなのですが、自分は未だにMySQLデータベースというものがどういうものなのかちゃんと理解していません。ですが、WordPressを利用するためにはこれを作成する必要があり、
ここで紹介されている通りに、MySQLデータベースを作成しました。
その次にaaaaサーバーのコントロールパネルにログインして、旧サーバーで使用されていたMySQLデータベースをダウンロードしました。ファイルの拡張子はsql.zipでした。
そしてこのsql.zipファイルをエックスサーバーのMySQLにインポートしました。
これでMySQL側の作業は完了です。
wp-config.phpファイルの書き換え
WordPressデータを移行する前に、その中に存在するファイルの一つであるwp-config.phpファイルを書き換えなければなりません。おそらくですが、ネットやプログラミングに疎い人にとってはここが最難関になるはずです。
wp-config.phpファイルは、WordPressプラグインのBackWPupを使って作ったtar.gzファイルを展開したものの中にあります。今回、ブログの移転に挑戦するまでわからなかったのですが、BackWPupで作成されたファイルは、WordPressの全データが圧縮されたファイルのようです。
このページで説明されているように、wp-configファイルに記載されている「以前のサーバーでのMySQL情報」を「今回作成したMySQL情報」に書き換えます。おそらくですが、これでMySQL情報とWordPress情報が一致するのでしょう。
FileZillaを使ってWordPress全ファイルをエックスサーバーに転送
最後にFTPソフトを使ってBackWPupで作成したtar.gzファイルを展開したものエックスサーバー内のpublic_htmlフォルダにアップロードしました。
重複しますが、このファイルには上記で変更したwp-config.phpファイルが含まれています。
FTPソフトはFileZillaを使いました。エックスサーバーではFileZillaの設定方法も記載されていて、非常に助かりました。唯一手こずったのが、サーバーパスワードがエックスサーバーにログインするためのパスワードではダメで、最初にエックスサーバーからメールで送付されたパスワードでなければならなかったところでした。
FileZilla設定手順 | レンタルサーバーならエックスサーバー
最後にファイルをドラッグすることでエックスサーバーに移行しました。全ファイルが13000くらいあり、すごく時間がかかりましたが、寝ている間に完了していました。
起きて、utsubiology.comにアクセスすると、ちゃんと今まで通り、ブログが表示されました。絶対に失敗すると思ったけど、結果として大成功で、なんとも言えない達成感がありました。
しかしWordPressにログインしようとすると、エラーが出て、最後にエックスサーバーの方からWordPressセキュリティ設定をいじり、国外からアクセス可能にする必要がありました。
これで、ブログのサーバー移転の全行程が完了です。
エックスサーバーの良かったところ
まだ、エックスサーバーに移行して間もないですが、やはり大手は素晴らしいなと感じました。
一番は、今回のようにネットで手順を検索すると、ちゃんと欲しい情報が得られるところです。FileZillaの設定手順までも記載されていたのは本当にありがたかったです。aaaaサーバーではこういうわけにはいかず、メールで問い合わせるか、自分で試行錯誤するしかありませんでした。
何があるかわからないので、念の為もう少しaaaaサーバーと契約を継続するつもりですが、問題なければ、契約を解除しようと思います。