一月の激務が終わってから3週間以上であろうか、心臓の調子がいい日が続いている。アメリカにいた頃から時々体調が良くなったと思い、その旨をブログに書き残していたのだが、大抵一週間以内に終了し、帰国まで断続的に希死念慮、心臓の違和感、ルミネーションと言ったものに苦しめられていた。だが、こんなに心臓の調子がいいのも、こんなに長く続いているのも、うつ病を発症してから記憶にない。もしかしたら本当に治ったのかもしれない(またぬか喜びになる可能性大)。
自分の心臓の調子の悪さは、人に伝えるのが難しい。痛いか?と聞かれれば痛くはないし、苦しいか?と聞かれると、苦しいという表現が最も近い気もするが、でも息苦しさはない。少なくとも酸素が足りないと感じたことはない。何というか、心臓がない感じがするというか、胸に虚空が空いた感じがするというか、心臓が動いていない感じがするというか、そんな感覚で朝目覚めて、それが何ともつらいのである。起きて活動し始めると、その感覚はほとんどなくなる。というのが、2016年ごろから10年近く続いているのである。
就職活動のストレスがすごかった、アメリカにいた際の最後の半年ほどは、あまりに心臓の調子が悪く、効果があるかわからなかったが、「救心」をマルイチで購入し、何度か服用したことがある。症状として、狭心症を疑ったが、でも、言葉の響きだけが自分の症状に合っている感じで、ネットで狭心症を調べても、自分の症状には合致しないように感じた。

とにかく、明け方、心臓を動かしたかった。自分の心臓から血が流れていない感じがした。バクバクバクと鼓動を感じ、生きている実感が欲しかった。救心を飲んで、若干症状が良くなった感じもしたが、気のせいというか、あまり良くならず、2~3回だけ服用して終わったように記憶している。
アメリカにいるうちから、日本に帰ったら、一度お医者さんにかかってみようと思っていた。自分のうつ病パニックに関して、カウンセリングだけでなく、医学的な観点から助言が欲しかった。ただ、アメリカではどの医療機関に受診して良いかもわからず、また症状が曖昧すぎるので、英語では伝わらないと思い、アメリカにいるうちはやめておいた。
帰国後、働き出して、しばらくしてから近所の循環器内科を訪ねてみた。職場の健康診断でも健康そのもので、心電図も何の異常も出なかったのだが、ずっと気がかりなままにしておいても話が進まないので、説明するのも憚られたが、とりあえず、行ってみた。
問診票にはこんな感じのことを書いたと記憶している。
2015年にうつ病パニックを発症してから、目覚めの際に右手を拳銃に見立てて、寝ぼけ眼に自分の心臓を撃ち抜くという行為を1年間ほど続けました。アメリカに留学後はそのような空想的な自傷行為を止めることができたのですが、それ以来、明け方、希死念慮と共に胸に穴が空いたような感覚がずっと続き、心臓がないような、動いていないような感覚で、つらく、不快な状態が何年も続いていました。日本に帰国後は、希死念慮はほとんどなくなったのですが、以前として心臓の違和感は残り、最近は自分の心臓がニワトリサイズの小さいものに置き換わってしまった感覚があります。職場の健康診断では異常が出なかったのですが、何かアドバイスをいただけるとありがたいです。
循環器内科に行った際の問診票に書いたこと
部屋に通されると、先生にすごく心配そうに症状を尋ねられた。一目でいい先生だとわかった。だが、心臓の音を聞いてもらっても、やはり異常はなかった。先生にはこんなことを言われた。
どうしても気になるようだったら、精密検査をしてみてもいいけど、おそらく、ものすごく感覚的なことなので、数値としては現れないと思う。現在、両親と同居していて、しんどいながらも働けていて、希死念慮もなくなってきているということで、とりあえずは急いでどうこうする必要はないと思う。もし、どうしても気になるようならまたおいで。精密検査してあげるから。でも、とりあえずは大丈夫だと思う。
循環器内科の優しい先生に言われたこと
予想はしていたけど、症状を薬で治すみたいなことはやはり難しいようだった。でも、先生の言うことを聞けて、専門的な知識を持つ人から大丈夫という念押しを頂けて、少しホッとした。
結局、この症状が何なのかはいまだに解決していないのだが、人間の体というのは何とも不思議で繊細なものだなと感じるのである。
もう少し期間をおいて症状のアップデートをしたい。もしかしたら、帰国後毎週末のようにサウナに通っていたことがよかったのかもしれないし、でもそれ以上に、激務によって体調が改善している感覚がある。