この時期は何かと保険とか免許更新とか、その手の事務手続きが多くて煩わしい。
先日、自分がRenters insuranceのために加入していた、First American Property & Casualty Insurance Companyという会社から、以下のような通知がきた。renters insuranceというのは家の保険で、日本で言うところの火災保険みたいなものだろう。
正直、意味がわからなかった。日本人で初見でこの英語の意味がわかる人はいるのがろうか?
Company discontinue writing personal renters.
あまりにも意味がわからなかったので、メールで問い合わせたところ、こんな返答がきた。
Thank you for contacting First American.
Our division has been sold and we are no longer writing new business nor can we renew/reinstate policies. This policy will Non-renew effective: 10/19/21. However, since your community was affiliated with us, you can obtain a quote from the new company, QBE.
つまり、個人のRenters insuranceを売っている部署が買収されて、これ以上、現行の保険を存続できないから、他の会社を当たってくれということだった。
保険を売るというのを”write personal renters”と表現しているわけだった。「write、書く」と表現しているあたり、イキだしわかりづらい。
そんなわけで、renters insuranceをState farmに変更した。JakeとクリポがCMをしているあれだ。
州によっても違うのかもしれないが、自分のアパートはrenters insuranceに加入しないとアパートに入居することができない。契約の際、事前にrenters insuranceを加入した証明書を提示しなければならなかった。
最初にアメリカに渡米した際、なぜか自分のパソコンでこの保険を契約できず、入居が少し遅れたという苦い思い出がある。おそらく、ブラウザやパソコンのOSの問題で研究室のパソコンを使うと何故かすんなり契約することができた。
あの日のことはよく覚えている。やっとの思いでrenters insuranceに加入でき、証明書片手に意気揚々とアパートのオフィスに向かったのだが、今度は入居のために賃料500ドル支払えと言われ、現金で手渡そうとしたら、「現金はだめだ。小切手かマネーオーダーだけだ」と言われた。
オフィスは7時に閉まり、時刻はすでに6時をすぎていた。「マネーオーダーはどこで作れるのか?」と聞くと、コンビニで作れるとのことだったので、全力で走って10分くらいの、最寄りのセブンイレブンに向かった。私服のアラサーのおっさんが、あんなに無様にコンビニまで走る姿もなかなかお目にかかれないだろう。
何とかコンビニまでたどり着き、ATMを利用したのだが、お金の下ろし方がわからない。というかお金をおろせるかもわからなかった。というのはまだ自分のアメリカ口座がなく、お金は全て日本の口座に入っていた。
「もしかして日本のクレジットカードで日本の口座からお金を引き出せるのか?」と思って試したが、だめで、「ああ、もう終わりだ」と思ったのだが、たまたま契約していたVISA debitカードで、何とか500ドル引き出すことができた。暗証番号を気合で思い出した。
500ドルという大金を片手に「これでマネーオーダーを作ってくれ」女性の店員さんにというと、「そんな大金を片手に歩いたら、いくら店内とはいえ危ないよ」と注意された。いい加減なアメリカ人もびっくりの慌てようだったのだろう。
無事500ドルのマネーオーダーを作成し、また全速力で走ってオフィスに向かった。ただ、気持ち的にはもう楽だった。本当に作れるかわからなかったマネーオーダーを何とか作れたし、7時までに何とか間に合いそうだった。
結果的に6時50分くらいにオフィスに着いて、自分の入居の手続きが完了し、鍵を受け取ることができた。
周りの日本人の話を聞いても、こんなにアパートの入居で苦労したのは自分くらいだ。というのもみんな、ラボの先輩や日本人の代理人に頼んで、アパートの契約をする人が大半だからだ。
だが、今となってはこれも貴重な思い出だ。